季節の症状

当院の花粉症対策と花粉症予防注射について

花粉症とは、花粉を吸引したり、花粉と接触したりすることによって生じる、異物に対する、身体のアレルギー反応のひとつです。

皮膚や粘膜に花粉が直接付着することにより、局所に炎症が起きる場合や(鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、皮膚のかゆみ、気管支喘息など)、バリア機能の損なわれた皮膚や粘膜を通過して体内に入り込み、全身に反応を起こすケースも、われわれ医療現場では頻繁に目にします(蕁麻疹やアナフィラキシー発作、倦怠感や眠気など)。

花粉症が、花粉を原因としたアレルギー症状である以上、その対策としては、

  1. 原因物質=花粉との接触を減らすこと
    外出先や室内での花粉症対策
  2. 発生した症状を、なるべく緩和させること
    アレルギー症状は放置すると、アレルギー体質の悪化を招き、症状が加速度的に進行する、という悪循環に陥るため、症状の緩和と、体質の悪化予防のための、継続した治療

が、必要となります。

年々温暖化が進む中、花粉の飛散量も多めとなっているため、症状が出現している場合は、我慢をしないことが大切です。花粉症は、だんだん慣れて体質が改善することはありません。我慢していると、むしろ体質は悪化し、年々症状は強くなります。

当院の花粉症対策について

現在は、よく効く抗アレルギー薬が、薬局でも簡単に入手でき、そちらを服用していただくのも非常に効果的ですが、数カ月にわたり使用する場合には、費用も高額となりますし、特に症状が強い方に適した薬剤は、医療機関でしか処方できません。

当院では、最新の検査システムを導入し、アレルギー体質の評価と、原因物質の判定をした上で、最適な治療方針をご提案することが可能です。通常の飲み薬による治療以外にも、

  • 一回の注射で数カ月症状を抑える注射(自由診療 5,500円/回 税込)
  • アレルギー体質を本質的に改善する減感作療法(保険適応)

など、様々な治療法を駆使して、皆様の症状の改善に努めております。

つらい症状でお悩みの方は、ぜひ、治療実績の豊富な当院にご相談ください。

当院における花粉症予防注射について

当院では、通常の抗アレルギー剤を用いた治療のほか、毎年ご好評をいただいております、2種類の花粉症予防注射をご提案しております。

1.免疫抑制剤の注射(自由診療)

ひとつは、免疫抑制剤の注射を1回行うことで、数カ月の期間、花粉症の症状を強力に抑制するものです。使用する薬剤は、関節痛の治療などに用いられる、医薬品医療機器法承認の国内正規医薬品ですが、現在のところ、花粉症への保険適応がございませんので、自由診療での治療となります(5500円/回 税込)。

この方法は即効性があり、飲み薬だけでは抑制しきれない重症の花粉症の方にも有効で、抗アレルギー剤による眠気も生じないため、お仕事で運転をなさる方にも、お勧めできます。

アレルギー反応を根本から抑制し、局所の炎症を強力に抑える治療法ですが、免疫抑制剤を使用するため、生活習慣病や感染症、緑内障、白内障、生理不順などを指摘されている方や、ご自身の健康に不安がある方には、実施できません。注射部分の皮膚の凹みや、生理周期の乱れなどの、副作用が生じる場合がございます。

2.減感作療法(健康保険適用)

もうひとつは、アレルギー反応の伝達物質である、ヒスタミンの働きを抑えることで、症状の緩和を図るほか、あらゆる物質へのアレルギー体質を改善させることを目的とした減感作療法と呼ばれる方法で、週に1回、合計6回の注射を行います。こちらは健康保険の適応がございます。

減感作療法は、花粉症以外にも、アトピー性皮膚炎や、繰り返すじんましんなど、あらゆるアレルギー症状に対して有効で、花粉以外にも、ダニ、ハウスダスト、カビ、食物など、アレルギーの原因物質の種類を問わず適応があり、現在、ほかの病気で治療中の方にも、実施することができます。

使用する薬剤は、ヒト免疫グロブリンを用いた生物学的製剤であり、理論上、感染症のリスクの完全な除去が困難であるため、注射前に、同意書への記入が必要となります(昭和42年の薬剤の販売開始以降、感染例の報告は一件もありません)。免疫療法であるため、複数回の注射の後に効果が出現するため、即効性はなく、効果には多少の個人差があります。

あらゆる薬剤と治療法には、副作用が生じるリスクがございます。患者様の症状やアレルギー体質、既往歴などによって、最適な治療方法は異なりますので、それぞれのプランは、患者様と相談し、同意の上で選定させていただいております。

上記以外にも、さまざまな治療法のご提案が可能ですので、つらい花粉症でお悩みの方は、ぜひ、当院にご相談ください。

https://www.youtube.com/watch?v=DGuLQuTwMac